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司牡丹を愛飲した、戦後を創った男
吉田茂を、渡辺謙主演でNHKが
スペシャルドラマ化!


土曜ドラマスペシャル「負けて、勝つ」〜戦後を創った男・吉田茂〜 9/8放送開始!



  6月初旬のある日、東映撮影所の美術スタッフの方から私宛てに電話がかかってきました。
「吉田茂・元首相が愛飲されたお酒はどれですか?」
「豊麗司牡丹というお酒です。」
「当時とラベルや瓶の色やデザインは変わっていますか?」
「ほとんど当時のままで変わっていません。」
「ではそれを送っていただけませんか?」
 そんなやり取りがありました。その時初めて、この9月からNHK土曜ドラマスペシャルで、渡辺謙さん主演
「負けて、勝つ」〜戦後を創った男・吉田茂〜(9月8日スタート・毎週土曜日21:00〜22:13連続5回)
が放送予定になっていることを知ったのです。

 
吉田元首相と司牡丹との縁は、昭和22年(1947年)に始まります。吉田元首相が政界引退後の昭和38年(1963年)に出版された「世界と日本」(吉田茂 著 番町書房)には、「味のお国自慢」として、当時の話が以下の通り紹介されているのです。

「子供のころ、土佐の高知で地酒のドブロクを飲まされ、酔って苦しい思いをした記憶がある。 そのせいか、高知の酒はまずいとの印象が強く残っていた。 先年、はじめて選挙に出ることになって高知へ渡った際『土佐の酒はまずいから、よい酒を東京から持って行こう』と語ったことがある。 これを伝え聞いた選挙区の有志たちから『土佐には自慢の酒がある』と叱られた。 なるほど、土佐に着いて飲まされた酒は上等だった。  
司牡丹』という名の酒で、以来その酒を愛用している。 (中略) とにかく『司牡丹』は自慢に値する。」

 この「司牡丹」が、その頃の特級酒「豊麗司牡丹」であり、これをきっかけに吉田元首相と当時の社長竹村源十郎(現社長の曾祖父)との交流が始まったといわれています。 そして昭和35年(1960年)、遊説のために来高された際、初めて司牡丹酒造を訪問していただいたのです。 土佐市の遊説会へ行かれる途中、わざわざ遠回りをしてお訪ねくださったようで、女婿の麻生太賀吉氏ご夫妻がお伴をなさっておられ、この日は高知では珍しい大雪の日で、吉田元首相はオーバーコートのままで会社に入って来られたといいます。 そして吉田元首相と司牡丹会長・竹村源十郎の会談が司牡丹本社にて実現するのです。

この時、竹村維早夫社長(現会長)が写真を撮らせていただきたいと申し出たところ、吉田元首相は快く応じられ、「ステッキも茶瓶もあるが、今日は大丈夫だよ。」 と笑われたといいます。 このつい数日前、記者団にステッキをふりあげ、水をぶっかけたというニュースが新聞紙上をにぎわせたばかりであったため、このユーモアあふれる言葉が出たのでしょう。
(吉田元首相 と 源十郎会長)
この時、維早夫社長が撮影した二人の笑顔の写真は、現在も司牡丹本社事務所に掲げられ、社宝の一つとなっています。

 さて、ドラマの方の内容ですが、NHKのブログには以下の通り紹介されています。

<内容> 戦時中、牢獄に放り込まれても自説を曲げなかった誇り高き頑固者であった吉田茂。 吉田は連合国最高司令官マッカーサーにも臆することなく対峙し、二人は結果として、日本の再生を共同で成し遂げていくこととなる。 ドラマでは戦後占領期に焦点をしぼり、明日も知れない飢餓状況に陥った敗戦国が再度独立し、復興していくまでを描く。

<ねらい> 「戦争に負けて、外交で勝った歴史がある。」国を立て直す自信を問われて吉田が語った言葉である。 決して諦めない、不屈の精神で戦後日本を復興に導いたリーダーの苦難の舵取りを克明に描くことで、大震災からの復興に向かうこれからの日本への力強いエールとしたい。

 このストーリーのどのあたりで「司牡丹」が登場するのかは分かりませんが、ちなみに美術スタッフの方からは「NHKですから、『司牡丹』という銘柄は変えます。」と言われています。 つまり、「豊麗司牡丹」とデザイン的にはソックリの物を作るのでしょうが、銘柄が「司牡丹」のままではまずいので、他の架空の銘柄に変えるという意味でしょう。  さて、どの程度似たデザインのお酒で、どんな銘柄になるのか、少し寂しい気もしますが、楽しみでもあります。

 ちなみに高知県も今回のドラマ化をきっかけに、吉田茂元首相をテーマに観光振興を図ることが決定したようです。  ドラマ直前の8月には偶然にも、高知龍馬空港の片隅に立つ吉田元首相の銅像が周辺の道路整備に合わせ、ターミナルビル脇の目立つ場所に移設される予定となっています。 吉田元首相が天国から働きかけたのかもしれませんね。


     

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